"ベトナム政府は3月9日、ガソリンやディーゼルなど主要燃料の輸入税を一時的に0%に引き下げる政令72号を公布しました。中東情勢の緊迫化による世界的なエネルギー価格高騰を受け、国内の燃料供給を安定させ、消費者への影響を緩和することが狙いです。"
ベトナム政府、燃料輸入税を一時的に0%へ
ベトナム政府は2026年3月9日、ガソリンやディーゼル、ジェット燃料など主要な燃料製品に対する最恵国(MFN)輸入税を一時的に0%に引き下げる政令72号(Decree 72/2026/ND-CP)を公布しました。この措置は3月9日から4月30日まで適用されます。
この決定は、2月28日に始まった中東での紛争激化を受け、世界的なエネルギー価格が高騰していることへの対応です。特に、世界の石油消費量の約5分の1が通過するホルムズ海峡の封鎖リスクは、アジア諸国への原油供給に深刻な影響を与える可能性が懸念されています。
主な引き下げ内容
今回の関税引き下げの対象となる主な品目は以下の通りです。
| 品目 | 変更前 | 変更後 |
|---|---|---|
| 無鉛ガソリン、ナフサ、リフォーメート | 10% | 0% |
| ディーゼル、燃料油、ジェット燃料、灯油 | 7% | 0% |
| キシレン、コンデンセート、p-キシレン | 3% | 0% |
| その他環状炭化水素 | 2% | 0% |
財務省の試算によると、2025年の輸入量に基づけば、この減税措置により国家予算は約1兆240億ドン(約3,900万米ドル)の減収となる見込みです。
国内市場への影響と政府の対応
ベトナムは現在、燃料輸入の大部分をASEAN諸国や韓国からの無関税輸入に依存していますが、世界的な供給不安は代替調達先の確保を困難にし、価格を押し上げる可能性があります。国内の精製所も、原油輸入が滞れば生産に支障をきたす恐れがあります。
このような状況を受け、ファム・ミン・チン首相は3月10日、国際的なパートナーから約400万バレルの石油を確保し、短期的な供給安定を図る方針を明らかにしました。首相は「エネルギー不足、特に燃料や電力の不足は絶対に回避しなければならない」と強調し、関係省庁に積極的な対応を指示しています。
また、政府は国民に対し、冷静な対応と燃料の買いだめを控えるよう呼びかけています。買いだめは火災や爆発のリスクを高めるだけでなく、局所的な品不足を招きかねません。
今回の輸入税ゼロ化措置は、国内の燃料価格の上昇を抑制し、消費者や企業の負担を軽減することを目的としています。しかし、世界的なエネルギー市場の動向は依然として不透明であり、政府は今後も状況を注視し、必要に応じて追加の措置を講じる構えです。
参照資料:
Tuoi Tre News. (2026, March 10). Vietnam cuts fuel import tax to 0% until next month. https://news.tuoitre.vn/vietnam-cuts-fuel-import-tax-to-0-until-next-month-10326031010040267.htm



