ベトナムでの銀行口座開設と送金方法:外国人・外資企業のための完全ガイド
Quay Lại Danh Sách
進出ガイド 2026年3月15日 3分で読めます

ベトナムでの銀行口座開設と送金方法:外国人・外資企業のための完全ガイド

"外国人個人・外資系企業がベトナムで銀行口座を開設する手順、必要書類、口座の種類(DICA・VND口座・外貨口座)を詳しく解説。利益送金・配当送金の条件(監査完了・納税完了・損失解消)と外為規制の注意点も網羅。日系銀行・外資系銀行の選び方も紹介。"

ベトナムでの銀行口座開設と送金方法:外国人・外資企業のための完全ガイド

はじめに

ベトナムでビジネスを行う上で、現地の銀行口座開設と国際送金の仕組みを理解することは不可欠だ。外国人個人・外資系企業ともに、ベトナムの銀行口座を持つことで現地での給与支払い・取引先への支払い・税金の納付などがスムーズになる。一方で、外国為替管理規制(外為法)や送金制限など、日本とは異なるルールが多く存在する。本記事では、ベトナムの銀行口座開設の手順から国際送金の実務まで、外国人・外資企業が知っておくべき情報を体系的に解説する。

ベトナムの銀行システムの概要

主要銀行の種類

ベトナムの銀行は大きく以下の4種類に分類される。

種類 主な銀行 特徴
国有商業銀行 Vietcombank、BIDV、VietinBank、Agribank 規模最大・安定性高い・外国人対応あり
民間商業銀行 Techcombank、MB Bank、VPBank、ACB サービス充実・デジタル対応強い
外資系銀行 HSBC、Citibank、Standard Chartered、ANZ 外国人対応・国際送金に強い
日系銀行 三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行 日本語対応・日系企業に最適

外国人個人や日系企業にとっては、外資系銀行または日系銀行が最も利用しやすい。ただし、国有商業銀行(特にVietcombank)もオンラインバンキングが充実しており、外国人向けサービスを強化している。

外国人個人の銀行口座開設

口座の種類

外国人がベトナムで開設できる口座は主に2種類だ。

  1. ドン建て口座(VND口座): 現地での日常的な取引・給与受取に使用
  2. 外貨口座(USD・EUR・JPYなど): 海外送金の受取・外貨保有に使用

必要書類

外国人個人が口座を開設する際に必要な書類は以下の通りだ。

  • パスポート(原本)
  • ベトナムのビザまたは居住許可証(Temporary Residence Card: TRC)
  • 就労許可証(Work Permit)(就労目的の場合)
  • 住所証明書(賃貸契約書など)
  • 申込書(銀行所定の書式)

観光ビザでの口座開設は原則として認められていない。就労ビザ・長期滞在ビザ・居住許可証を持つ外国人が対象となる。

開設手順

  1. 希望する銀行の支店に来店(予約推奨)
  2. 必要書類を提出
  3. 申込書の記入・署名
  4. 初回入金(最低入金額は銀行・口座種類によって異なる:通常50〜200万VND程度)
  5. キャッシュカード・インターネットバンキングの設定

開設にかかる時間は通常1〜2時間。外資系・日系銀行では英語・日本語対応スタッフが在籍しているケースが多い。

外資系企業の銀行口座開設

企業口座の種類

外資系企業がベトナムで開設する口座は主に以下の3種類だ。

  1. 直接投資資本口座(DICA: Direct Investment Capital Account): 外国からの出資金受入・利益送金に使用。必須口座。
  2. ドン建て決済口座(VND口座): 現地での日常的な取引・給与支払いに使用
  3. 外貨決済口座(外貨口座): 外貨建て取引・輸出入代金の受払いに使用

直接投資資本口座(DICA)の重要性

外資系企業にとって最も重要なのがDICAだ。ベトナムの外為法により、外国からの出資金はDICAを通じて受け入れ、利益の海外送金もDICAから行う必要がある。DICAを開設せずに直接VND口座に出資金を受け入れると、後の利益送金時に問題が生じる可能性がある。

企業口座開設に必要な書類

  • 企業登録証明書(Business Registration Certificate)
  • 投資登録証明書(Investment Registration Certificate)
  • 定款・設立契約書
  • 取締役・法定代表者のパスポート
  • 法定代表者の就労許可証
  • 印鑑(法人印)
  • 申込書(銀行所定の書式)

国際送金の実務

ベトナムから海外への送金(利益送金・配当送金)

外資系企業がベトナムから海外(日本本社など)に利益・配当を送金する際は、以下の条件を満たす必要がある。

  1. 財務諸表の監査完了: 当該会計年度の財務諸表が公認会計士による監査を受けていること
  2. 税務申告・納税の完了: 法人税・その他税金の申告・納付が完了していること
  3. 損失の解消: 累積損失がないこと(損失がある場合は送金不可)
  4. DICAからの送金: 利益送金はDICAを通じて行う必要がある

送金手続きには、監査済み財務諸表・税務完了証明・取締役会決議書などの書類が必要だ。

海外からベトナムへの送金(出資・ローン)

海外からベトナムへの送金(出資金・株主ローンなど)は、DICAを通じて受け入れる。株主ローンの場合は、ベトナム国家銀行(SBV)への登録が必要となる場合がある。

個人の海外送金

外国人個人がベトナムから海外に送金する場合、以下の書類が必要となることが多い。

  • 就労許可証・給与明細: 合法的な所得であることの証明
  • 個人所得税の納税証明: 税務申告・納税完了の証明
  • 送金目的の説明書類: 家族への仕送り・貯蓄送金など

送金額に上限はないが、大額送金(通常1万ドル相当以上)は追加書類の提出を求められる場合がある。

外為規制と注意点

ベトナムの外為管理

ベトナムは外国為替管理法(Ordinance on Foreign Exchange Management)に基づき、外為取引を規制している。主なポイントは以下の通りだ。

  • ドンの国際決済禁止: ベトナムドン(VND)は国際決済手段として使用できない
  • 外貨保有制限: 個人・企業が保有できる外貨に一定の制限がある
  • 外貨両替規制: 外貨の両替は認可された銀行・両替商でのみ可能

実務上のリスク管理

ベトナムの外為規制は頻繁に改正されるため、最新の規制動向を把握することが重要だ。特に、利益送金・配当送金の手続きは複雑であり、税務・法務の専門家(会計士・弁護士)との連携を強く推奨する。

まとめ

ベトナムでの銀行口座開設と国際送金は、適切な口座種類の選択・必要書類の準備・外為規制への対応が成功の鍵だ。特に外資系企業にとっては、DICA(直接投資資本口座)の開設が利益送金の前提条件となるため、会社設立と同時に手続きを進めることが重要だ。複雑な外為規制に対応するために、信頼できる会計士・弁護士・銀行担当者との連携体制を構築することを推奨する。

より詳細な情報や最新の規制動向については、VIETNAM INSIGHTをご覧ください。

出典: VIETNAM INSIGHT 編集部

この記事をシェアする

Bài Viết Liên Quan

ベトナム語は必要?ビジネスで使える英語レベルは?【ベトナム進出ガイド】
進出ガイド

ベトナム語は必要?ビジネスで使える英語レベルは?【ベトナム進出ガイド】

ベトナムのビジネスシーンにおける言語事情を徹底解説。都市部の外資系企業や大手ベトナム企業のマネジメント層では英語が広く通用する一方、製造業の現場や地方・行政機関ではベトナム語が主体となる。専門通訳の活用、日本語堪能なコミュニケーターの採用、そして基本的なベトナム語学習のメリットまで、ベトナムでのビジネス成功に向けた実践的な言語戦略を紹介する。

Đọc Thêm →
ベトナム進出でよくある質問トップ10【2026年最新版】
進出ガイド

ベトナム進出でよくある質問トップ10【2026年最新版】

法人形態の選択から最低資本金、税制、知的財産権保護、利益送金まで、ベトナム進出を検討する企業から最も多く寄せられる10の質問を専門家の視点で解説。100%外資での設立可否、会社設立期間・費用の目安、人材採用の実態、そして「法制度の頻繁な変更と運用の不透明性」という最大の注意点まで、実務的な情報を網羅した完全ガイド。

Đọc Thêm →
ベトナム進出でよくある質問トップ10【2026年最新版】
進出ガイド

ベトナム進出でよくある質問トップ10【2026年最新版】

法人形態の選択から最低資本金、税制、知的財産権保護、利益送金まで、ベトナム進出を検討する企業から最も多く寄せられる10の質問を専門家の視点で解説。100%外資での設立可否、会社設立期間・費用の目安、人材採用の実態、そして「法制度の頻繁な変更と運用の不透明性」という最大の注意点まで、実務的な情報を網羅した完全ガイド。

Đọc Thêm →