ベトナム不動産市場に変化の兆し、手の届くアパート供給が需要を喚起
Quay Lại Danh Sách
ニュース 2026年3月25日 3分で読めます

ベトナム不動産市場に変化の兆し、手の届くアパート供給が需要を喚起

"ベトナムの不動産市場で、1平方メートルあたり2,000〜3,000万ドン(約12〜18万円)の手頃な価格帯のアパートの供給が急増している。長年の高価格帯偏重から脱却し、実需層の購買意欲を喚起する新たな市場動向として注目される。"

ベトナム不動産市場に変化の兆し、手の届くアパート供給が需要を喚起

長らく価格高騰が続いていたベトナムの不動産市場、特にハノイやホーチミンといった大都市圏で、市場の潮目が変わりつつあります。これまで富裕層や投資家向けの高級物件が市場を席巻していましたが、ここに来て1平方メートルあたり2,000万〜3,000万ドン(約12万円〜18万円)という、一般の住宅購入希望者にも手の届きやすい価格帯のアパート供給が増加しており、市場に新たな希望の光を灯しています。

ハノイ市では、タインスアン区のハディン新都市区で計画されている社会住宅プロジェクトが注目を集めています。ここでは、1平方メートルあたり約2,500万ドンという価格でアパートが供給される予定で、70平方メートルの一般的なファミリータイプのアパートが、約17億5,000万ドン(約1,050万円)で購入可能となります。

また、アジアスター開発投資が手掛けるオディエン地区のタンラップ社会住宅エリアでは、5月1日から15日にかけて、1平方メートルあたり約2,900万ドンで住宅購入の申込受付が開始される予定です。

政府主導の政策が市場を動かす

この変化の背景には、ベトナム政府による強力な社会住宅開発政策があります。政府は、住宅価格の高騰が国民生活を圧迫し、社会の安定を損なうことを懸念しており、手頃な価格の住宅供給を増やすことを最優先課題の一つに掲げています。

この政府の方針を受け、これまで高級物件開発に注力してきた大手デベロッパーも、社会住宅や労働者向け住宅の開発へと舵を切り始めています。その代表格であるViglacera社は、ハノイ、クアンニン省、バクニン省など、工業地帯を抱える複数の省で、合計約1万戸の社会住宅・労働者向け住宅を開発する準備を進めています。同社は2025年だけで、全国で完成した社会住宅の約8%に相当する8,000戸を供給した実績を持ちます。

「手頃な価格の住宅供給を増やすことは、現在のように需要と供給が著しく不均衡な市場構造を調整し、平均的な収入の人々が住宅を手に入れられる社会を実現するために不可欠です」と建設省(MOC)の担当者は力説します。[3]

建設省は現在、手頃な価格の商業住宅開発を試験的に導入するための政府決議案についてパブリックコメントを募集しており、市場全体の価格水準を健全な方向へ引き下げることを目指しています。

考察:市場の健全化への長い道のり

ベトナムの不動産市場は、長年にわたり投機的な資金が流入し、実需とはかけ離れた価格形成がなされてきました。しかし、政府の断固たる政策介入と、デベロッパーの戦略転換により、ようやく市場が健全化への一歩を踏み出したと言えるでしょう。

手頃な価格帯の住宅供給が増えることは、これまで住宅取得を諦めていた若者や中間所得層にとって、大きな福音となります。これにより、都市部への健全な人口流入が促進され、新たな消費市場が生まれるなど、経済全体に好循環をもたらす可能性があります。

一方で、一部のエリアでは、投機目的で購入された物件が損失覚悟で売却される動きも見られ[4]、市場が完全に安定するにはまだ時間を要するでしょう。しかし、実需に基づいた市場へと転換していくこの大きな流れは、もはや誰にも止められません。今後の政府の政策運営と、各デベロッパーの供給動向を注意深く見守る必要があります。


ベトナム主要都市のアパート価格帯別供給比率

ベトナム主要都市のアパート価格帯別供給比率


参照元:

[3] VietnamNet, "Surge in VND20-30 million/m2 apartments signals new hope for homebuyers", (2026/03/22), https://vietnamnet.vn/en/surge-in-vnd20-30-million-m2-apartments-signals-new-hope-for-homebuyers-2496065.html
[4] チバテレ+プラス, "【ベトナム】不動産売却件数が増加、一部物件で大幅値下げ", (2026/03/26), https://www.chiba-tv.com/plus/detail/amp/2026031446111

出典: VietnamNet

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