ベトナム中央銀行、2026年の金利政策維持—インフレ抑制とマクロ安定を優先
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ニュース 2026年2月23日 3分で読めます

ベトナム中央銀行、2026年の金利政策維持—インフレ抑制とマクロ安定を優先

"ベトナム中央銀行は2026年の金融政策においてインフレ抑制とマクロ経済の安定を最優先事項とし、金利政策を維持する方針を発表しました。"

ベトナム中央銀行、2026年の金利政策を維持、インフレ抑制とマクロ経済安定を優先

ベトナム中央銀行
画像出典: State Bank of Vietnam

ベトナム国家銀行(中央銀行、SBV)は2026年1月9日、2026年第1号指令(Directive 01/CT-NHNN)を発行し、2026年の金融政策の方針を明確にしました。主要目標は、平均インフレ率を約4.5%に維持し、全システムで約15%の信用成長を目指すことです。UOBの予測によると、SBVは持続的なインフレ圧力と通貨安定の必要性を理由に、2026年を通じてリファイナンス金利を4.5%で据え置く見込みです。これは、2025年の高い信用成長(17.87%)と低インフレ(3.31%)の実績を踏まえた、バランスの取れた政策と言えます。

2026年第1号指令、インフレ目標4.5%と信用成長15%を設定

SBVは2026年1月9日に発行した2026年第1号指令において、2026年の金融政策の主要目標を明確にしました。第一に、平均インフレ率を約4.5%に維持することです。これは、国会が設定した目標と一致しており、物価の安定を最優先課題としています。第二に、全システムで約15%の信用成長を目指すことです。この目標は、マクロ経済と市場の動向に応じて調整可能とされており、柔軟な金融政策の運営が可能です。

2025年のインフレ率は3.31%で、国会目標の約4%を大幅に下回りました。一方、信用成長率は2025年12月末時点で17.87%に達し、近年で最も高い水準の1つとなりました。総貸出残高は18.4兆ベトナムドン(約7,220億ドル)に達しています。2026年の目標は、2025年の実績を踏まえ、インフレ抑制と信用成長のバランスを取ることを目指しています。

リファイナンス金利、4.5%で据え置きの見込み

UOBの予測によると、SBVは2026年を通じてリファイナンス金利を4.5%で据え置く見込みです。その理由は、持続的なインフレ圧力と通貨安定の必要性です。ベトナムは、経済成長を維持しながらも、インフレ圧力が高まるリスクに直面しています。特に、エネルギー価格や食品価格の上昇が懸念されており、金利を据え置くことで、インフレ圧力を抑制する狙いがあります。

一方で、預金金利上限については、2026年に50ベーシスポイント(0.5%)引き上げられる可能性があります。これは、2026年の信用成長予測が2025年と同様の18〜20%であるためです。預金金利上限の引き上げにより、銀行は預金を集めやすくなり、信用成長を支えることができます。しかし、預金金利の上昇は、借入コストの上昇につながる可能性もあり、企業や個人の借入需要に影響を与える可能性があります。

銀行間金利、テト前に急上昇も中央銀行が流動性を支援

2026年2月初旬、銀行間金利が急上昇しました。オーバーナイト金利は17%まで上昇し、1週間物は15%、2週間物は6.4%、1か月物は9.5%となりました。この急上昇の原因は、テト(旧正月)前の流動性需要の高まりです。テト前は、企業や個人が現金需要を高めるため、銀行間市場で流動性が逼迫する傾向があります。

SBVは、この流動性逼迫に対応するため、市場に12兆ドン以上を供給して流動性を支援しました。これにより、銀行間金利は徐々に安定化しました。専門家は、銀行間金利は2026年第1四半期にピークを迎えた後、安定化し、成長を支援するためにわずかに緩和される見込みと予測しています。しかし、強い信用成長とインフレ抑制の必要性から、銀行間金利は2026年を通じて6%以上で推移する可能性があります。

主要政策課題、法的枠組みの改善とデジタル変革を推進

SBVは、2026年の金融政策において、いくつかの主要政策課題に取り組む方針を明確にしました。第一に、Resolution 66-NQ/TWに沿った金融・銀行活動の法的枠組みの改善です。これは、重複の排除、国際慣行との整合性、法制化における既得権益の防止を目的としています。ベトナムの金融・銀行法制は、複雑で重複が多いという課題があり、これを改善することで、金融システムの効率性と透明性を高めることができます。

第二に、行政改革の加速です。市民と企業向けの手続きの簡素化、完全オンライン公共サービスの拡大を進めます。これにより、金融サービスへのアクセスが向上し、企業や個人の利便性が高まります。第三に、デジタル変革です。セクター別データベースの標準化、キャッシュレス決済の促進、決済セキュリティの確保、クロスボーダーモデルを含む新しい決済技術の探求を進めます。ベトナムは、キャッシュレス決済の普及率が急速に高まっており、デジタル変革は金融システムの近代化に不可欠です。

不良債権の管理とマネーロンダリング対策を強化

SBVは、不良債権の管理と解決措置の継続、信用品質とリスクガバナンスの改善を重要な政策課題としています。ベトナムの銀行システムは、不良債権比率が比較的低い水準を維持していますが、信用成長が高まる中で、信用品質の悪化リスクが懸念されています。SBVは、銀行に対して、厳格な信用審査とリスク管理を求めており、不良債権の発生を未然に防ぐ取り組みを強化しています。

また、マネーロンダリング対策とテロ資金供与対策のコミットメントの強化も重要な課題です。ベトナムは、アジア太平洋マネーロンダリング対策グループ(APG)による第3回相互評価を控えており、国際基準に沿ったマネーロンダリング対策の強化が求められています。SBVは、金融機関に対して、顧客デューデリジェンスの強化、疑わしい取引の報告、内部統制の改善などを求めています。

外国為替管理、通貨市場の安定化を支援

SBVは、外国為替管理と準備金運用の強化を進めています。これは、通貨市場の安定化と金融政策管理の支援を目的としています。ベトナムドンは、米ドルに対して比較的安定した為替レートを維持していますが、国際的な金融市場の変動や地政学的リスクの高まりにより、為替レートの変動リスクが高まっています。

SBVは、外国為替準備高を適切な水準に維持し、必要に応じて市場介入を行うことで、為替レートの安定を図っています。また、外国為替管理の透明性を高め、企業や個人が外国為替取引を円滑に行えるよう、規制の改善を進めています。通貨市場の安定は、ベトナム経済の持続可能な成長に不可欠であり、SBVは引き続き為替レート管理を重要な政策課題としています。


参照元:

出典: Vietnam Banking Association

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