"ベトナムの食品・飲料産業の現在と未来を一望できる「第5回ホーチミン市国際食品飲料展示会(HCMC FOODEX 2026)」が、4月15日にサイゴンエキシビション&コンベンションセンター(SECC)で盛大に開幕しました。国内外から350社以上が参加し、約500のブースが立ち並ぶこのイベントは、ベトナ..."
ベトナムの食品・飲料産業の現在と未来を一望できる「第5回ホーチミン市国際食品飲料展示会(HCMC FOODEX 2026)」が、4月15日にサイゴンエキシビション&コンベンションセンター(SECC)で盛大に開幕しました。国内外から350社以上が参加し、約500のブースが立ち並ぶこのイベントは、ベトナムの食品産業が国際的なサプライチェーンにおいて果たす役割の大きさを改めて示す場となっています。
ベトナム食品産業の多様性と輸出競争力
ホーチミン市投資貿易促進センター(ITPC)とホーチミン市食品協会(FFA)が共催する本展示会では、農産物、水産物、加工食品、飲料から、食品包装技術や加工機械に至るまで、幅広い製品とサービスが展示されています。特に目を引くのは、ベトナムの伝統的な農産物に高度な加工技術を掛け合わせた高付加価値製品の増加です。

出所:Vietnam Insight編集部作成
ベトナムは世界有数のコーヒー、米、カシューナッツ、水産物の輸出国ですが、近年は単なる原材料の供給国から、加工食品のグローバルな生産拠点へと進化を遂げています。HCMC FOODEX 2026では、オーガニック認証やハラール認証、グローバルGAPなど、国際的な品質・安全基準をクリアした製品が多数出展されており、欧米や中東市場への輸出拡大を狙う企業の意気込みが感じられます。
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日本企業にとっての商機とパートナーシップ
日本の食品メーカーや流通業者にとっても、HCMC FOODEXは極めて重要なネットワーキングの場です。ベトナムの消費者の所得向上に伴い、高品質で安全な日本食への需要は年々高まっています。一方で、日本国内の人手不足や生産コストの上昇を背景に、ベトナムの優秀な食品加工企業をOEMパートナーとして活用する動きも加速しています。
展示会場では、日本のJETRO(日本貿易振興機構)が支援するジャパンパビリオンも設けられ、和牛や日本酒、調味料などが紹介されています。また、最近ベトナム政府が一部の食品安全検査要件を緩和した(JETRO報告)こともあり、日本からの食品輸出や、ベトナムでの食品加工ビジネスの展開はさらに容易になると期待されています。
持続可能性とフードテックの潮流
今年の展示会で特筆すべきもう一つのテーマは「持続可能性(サステナビリティ)」と「フードテック」です。環境に配慮した生分解性パッケージの導入や、植物由来の代替肉、食品廃棄物を削減するためのスマートな加工技術など、最新のトレンドを反映したソリューションが多数紹介されています。
4月18日まで開催されるHCMC FOODEX 2026は、単なる見本市にとどまらず、ベトナム食品産業の国際競争力を測るバロメーターであり、グローバルな食品サプライチェーンの新たな潮流を読み解くための重要なプラットフォームとなっています。
ベトナム食品産業の構造的強みと課題
ベトナムの食品産業が国際的に競争力を持つ背景には、いくつかの構造的な強みがあります。第一に、熱帯性気候を活かした年間を通じた農産物の安定供給能力です。第二に、CPTPP、EVFTA、RCEPなど複数のメガFTAにより、主要市場への関税優遇アクセスが確保されている点です。第三に、若くて勤勉な労働力と、比較的低い人件費が食品加工業のコスト競争力を支えています。一方で、コールドチェーン(低温物流)インフラの未整備や、小規模農家の品質管理能力のばらつき、そして食品安全に関する国際認証の取得率の低さは、依然として克服すべき課題です。HCMC FOODEX 2026は、これらの課題に対するソリューションを提示する場としても機能しており、ベトナム食品産業の次なる成長段階への布石となっています。



