"ホーチミン市がデジタルインフラへの大型外国直接投資(FDI)を相次いで誘致し、新たな成長フェーズに入りつつある。UAEのG42が20億ドルのデータセンター建設を発表したほか、複数の米国テクノロジー企業も合計20億ドル規模の投資を計画している。これらの投資はベトナムのデジタル経済目標(2030年までにGDPの30%)の達成を後押しするものとして注目されている。"
ホーチミン市、デジタルインフラFDIで新フェーズへ—G42・米国企業が計40億ドル投資
ホーチミン市が、海外直接投資(FDI)の誘致において新たな局面を迎えている。アブダビを拠点とするテクノロジーグループG42と米国の大手投資家が、合計で最大40億米ドル規模のデータセンターおよびデジタルインフラプロジェクトへの投資を計画しており、市の成長戦略が製造業中心から高付加価値なデジタル経済へと大きくシフトしていることを示している。
総額40億ドルの大型投資計画
最近のハイライトは、UAEのテクノロジーグループG42とベトナム国内パートナーとの間で締結された枠組み合意だ。この合意に基づき、国際標準のデータセンターインフラをベトナムに構築するため、最大20億ドルの投資が見込まれている。このデータセンターは、政府機関、企業、そして国際的なパートナー向けのデジタルサービス提供の重要な基盤となる。[1]
さらに、ホーチミン市人民委員会のグエン・ヴァン・ドゥック委員長は、別の米国投資家による20億ドル規模のデータセンタープロジェクトが進展していることを明らかにした。この投資家は、2026年第2四半期にも資本の60%に相当する12億ドルを支出するコミットメントを示しているという。
これらの大型投資は、ホーチミン市が二桁成長を追求する上で重要な基盤となり、今後のFDI流入がさらに活発化することを示唆している。
| 投資家/企業 | 拠点 | 投資予定額 |
|---|---|---|
| G42 | UAE(アブダビ) | 最大20億ドル |
| 米国投資家 | 米国 | 20億ドル |
| 合計 | 最大40億ドル |
表:ホーチミン市の主要デジタルインフラ投資計画
国際金融センター構想の核へ
大規模データセンターの整備は、単なるデータ保管・処理能力の向上にとどまらない。国際金融機関やフィンテック企業、グローバルなテクノロジー企業を誘致するための前提条件と見なされている。これは、2026年2月11日に正式に始動した「ベトナム国際金融センター(VIFC-HCMC)」構想にとって特に重要な意味を持つ。
VIFC-HCMC実行機関の技術責任者であるファム・トゥアン・アイン氏は、「VIFC-HCMCは、ベトナムへの投資フローだけでなく、地域の資本仲介ハブへと進化することを目指している」と述べる。データインフラは、これまでベトナム市場への参入が難しかった外国からの間接投資(FII)を呼び込むための「緩衝地帯」としても機能することが期待されている。
FDIの質的転換
これらの動きの背景には、ホーチミン市へのFDIの質的な変化がある。かつては安価な労働力や地理的優位性を背景に製造業への投資が中心だったが、現在は高度な技術インフラ、安定したエネルギー供給、そして透明性の高い規制環境を求める投資へとシフトしている。
シンガポールとオーストラリアで事業を展開する大手資産運用会社Vantage Point Asset Managementは、今後5年間で最大100億ドルをVIFC-HCMCを通じて投資する意向を表明しており、その投資先としてデータインフラ、フィンテック、スマートシティシステムを挙げている。ホーチミン市は、コスト競争力からインフラの質とデジタル経済における役割へと、その競争優位性を進化させている段階にあると言えるだろう。
参考文献:
[1] Vietnam News. "HCM City set to get billion-dollar FDI projects in digital infrastructure." 2026年3月7日. https://vietnamnews.vn/economy/1766813/hcm-city-set-to-get-billion-dollar-fdi-projects-in-digital-infrastructure.html


