"2026年第1四半期のハノイ不動産市場は、新築マンションの取引件数が前年同期比48%減と流動性が低下する一方、平均販売価格は24%上昇し9,300万VND/m2に達した。価格の高止まりが需要回復を妨げ、購入者は中古市場へシフトする動きも見られる。"
2026年第1四半期のハノイ不動産市場は、複雑な様相を呈している。新築マンションの取引件数は約1,650件と、前年同期比で約48%減少し、5四半期連続で流動性の低下が見られた。一方で、新築マンションの平均販売価格は1平方メートルあたり9,300万VND(約55万円)に達し、前年同期比で約24%上昇。価格の高止まりが需要の回復を妨げている格好だ。

新築マンションの平均価格は上昇を続ける一方、取引件数は減少傾向にある。
価格高騰の背景
価格上昇の主な要因は、土地価格の高騰、建設資材のインフレ、そして都心部における新規プロジェクトの認可遅延による供給不足だ。特に、ハノイ市中心部の好立地では、新規供給が極端に少なく、既存物件の価格も連動して上昇している。不動産開発会社Savillsの分析によると、現在市場に出回っている物件の80%以上が、平均的な市民の所得では手の届かない高級セグメントに集中しているという。
購入者の慎重姿勢と中古市場へのシフト
高騰する新築価格を前に、多くの購入希望者は様子見の姿勢を強めている。住宅ローン金利は比較的安定しているものの、物件価格そのものが高すぎるため、ローン返済の負担が重くのしかかる。この結果、需要の一部は、より手頃な価格の郊外エリアや、中心部の中古物件へとシフトしている。第1四半期の中古マンション取引は、前年同期比で約15%増加したとのデータもある。
今後の見通しと政府の対策
専門家は、この「高価格・低流動性」の状況は、少なくとも2026年後半まで続くと予測している。政府は、手頃な価格の住宅供給を増やすため、社会住宅プロジェクトへの優遇措置や、土地法の改正による土地アクセスの円滑化を進めているが、その効果が市場に現れるまでには時間がかかる見込みだ。不動産開発業者にとっては、高級物件一辺倒の戦略を見直し、中間層向けの手頃な価格帯のプロジェクト開発へと舵を切ることが、今後の成長の鍵となりそうだ。



