"FTSEラッセルがベトナム株式市場の新興国格上げ審査を開始。ビエットキャップ証券は28銘柄が候補と特定し、2026年9月の正式格上げを基本シナリオとして維持している。"
FTSEラッセル、ベトナム株式市場の新興国格上げ審査開始—28銘柄が候補に
ベトナムの株式市場が新興国市場(セカンダリー・エマージング・マーケット)への格上げという歴史的な転換点を迎えつつある。国内証券会社のビエットキャップ証券は、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスへの組み入れ予備基準を満たす国内銘柄として28社を特定した。FTSEラッセルは2026年3月に中間審査を開始しており、ビエットキャップは2026年9月の正式格上げを基本シナリオとして維持している。
格上げ審査の現状と法的整備
ビエットキャップの最新レポートによれば、格上げプロセスは重要な局面を迎えている。財務省が2026年2月3日に発効した通達08号(Circular No. 08/2026)の施行により、規制当局はグローバル・ブローカー・モデルの実現に向けた重要な調整を実施した。
この通達の主要な規定として、外国機関投資家が国内証券会社にオフショアのグローバル・ブローカーを通じて注文を出せるようになり、国内証券会社に直接取引口座を開設する必要がなくなった。これにより、バンガードなどのインデックス追跡ファンドは、個々のベトナム証券会社とのKYC(本人確認)手続きを行う必要がなくなり、選定された国内企業グループを審査済みのグローバル・ブローカーに依存できるようになる。
審査スケジュールと決済能力
FTSEラッセルは3月に2回の委員会会議を予定している。3月3日(火)の株式国別分類諮問委員会と、3月19日(木)の政策諮問委員会だ。公式結果は4月7日(火)に発表される予定となっている。
委員会では標準的な基準に加え、ベトナム証券会社のノン・プリファンディング(NPF)取引能力についても議論される見込みだ。規制上の上限(NPFエクスポージャーを証券会社の自己資本の2倍以内に制限)に基づくと、ビエットキャップを含む上位5社の国内証券会社のNPF能力の合計は約50億ドルと推定される。これはインデックス追跡ファンドがベトナム株式を購入するために必要な推定15億ドルを大きく上回っている。
格上げ候補28銘柄
ビエットキャップが特定した28銘柄には、ビングループ(VIC)、ビンホームズ(VHM)、ホアファット・グループ(HPG)、マサン・グループ(MSN)、ビエットコムバンク(VCB)、ビナミルク(VNM)、SSI証券(SSI)、サコムバンク(STB)、VIX証券(VIX)、ビエットジェット・エア(VJC)、ビンコム・リテール(VRE)などが含まれる。
この格上げが実現すれば、ベトナム株式市場への機関投資家からの資金流入が加速し、市場の流動性と透明性が大幅に向上することが期待される。FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスにおけるベトナムの推定ウェイトは0.04%、FTSEエマージング・オールキャップでは0.34%とされており、格上げ後の資金流入規模は数十億ドル規模に達する可能性がある。
投資家への示唆
ベトナム株式市場の格上げは、単なる市場分類の変更にとどまらず、外国機関投資家の参入障壁を大幅に引き下げ、市場のガバナンス向上を促す構造的な変化をもたらす。投資家にとっては、ベトナムの長期的な経済成長トレンドに乗るための新たな投資機会が開かれることを意味する。


