ベトナム、暗号資産取引に0.1%の税金を提案:デジタル経済規制の新時代
Back to Articles
ニュース 2026年2月18日 3分で読めます

ベトナム、暗号資産取引に0.1%の税金を提案:デジタル経済規制の新時代

"**カテゴリ**: ニュース"

ベトナム、暗号資産取引に0.1%の税金を提案:デジタル経済規制の新時代

カテゴリ: ニュース

公開日: 2026年2月18日

参照: [1]

はじめに

ベトナム財務省は、急成長するデジタル資産市場に対応するため、暗号資産の譲渡・取引に対する新たな税制フレームワークの草案を発表し、パブリックコメントの募集を開始しました。この草案では、個人投資家に対して各取引で0.1%の個人所得税を課す一方、デジタル資産の譲渡自体は付加価値税(VAT)の対象外とすることが提案されています。この動きは、ベトナムがデジタル経済の健全な発展と、新たな税収源の確保を目指す上で、重要な一歩と位置づけられています [1]。

新たな税制フレームワークの概要

財務省が提案する税制フレームワークの主な内容は以下の通りです。

  1. 個人所得税: 個人投資家(居住地を問わず)は、暗号資産の各取引において、譲渡された価値に対して0.1%の個人所得税を支払う義務を負います。これは、株式取引に課される税率と同様の考え方に基づいています。

  2. 法人所得税: ベトナムに拠点を置く組織は、デジタル資産の譲渡から得られる利益に対して、20%の法人所得税を支払う必要があります。

  3. 付加価値税(VAT): デジタル資産の譲渡と取引は、VATの対象外とされます。これは、デジタル資産を金融商品と同様に位置づける考え方を示唆しています。

「この税制フレームワークは、デジタル資産市場の透明性を高め、投資家を保護すると同時に、国家の税収基盤を強化することを目的としています。我々は、国内外の専門家や一般市民からの建設的な意見を歓迎します。」 - ベトナム財務省報道官 [1]

取引所に対する厳格な規制

草案では、税制だけでなく、デジタル資産取引所に対する厳格な規制も提案されています。主な規制内容は以下の通りです。

規制項目 内容
最低資本金 4億ドル(約600億円)を維持する必要がある
外国投資家 株式の最大49%まで保有可能
パイロットプログラム 2030年9月まで試験的なプログラムの下で運営される
取引通貨 パイロット期間中、全ての活動はベトナムドン(VND)で実施する必要がある

特に、4億ドルという最低資本金の要件は、商業銀行の要件の3倍、航空会社の33倍に相当する非常に高い水準であり、政府が市場の安定性と信頼性をいかに重視しているかを示しています。

デジタル経済の成長と背景

ベトナムのデジタル経済は、近年目覚ましい成長を遂げています。2025年時点で、デジタル経済は国のGDPの約14.02%(721億ドル相当)を占めており、2020年から1.64倍に増加しました。Google、Temasek、Bain & Companyの共同レポートによると、ベトナムのデジタル経済は東南アジアで2番目に速い成長率を誇り、2025年末までには総商品価値で390億ドルに達すると予測されています [1]。

このような急速な成長を背景に、政府はサイバーセキュリティの強化も急いでいます。2026年1月には、サイバー空間におけるセキュリティと情報保護を強化するための新たな指令が発令されており、今回の税制フレームワークも、この一連の規制強化の流れの中に位置づけられます。

まとめ

ベトナムが提案する暗号資産取引への0.1%課税は、急成長するデジタル経済を国家の管理下に置き、健全な発展を促そうとする政府の明確な意図の表れです。厳格な規制と、明確な税制フレームワークを導入することで、ベトナムは投資家保護と市場の安定性を確保しつつ、デジタル資産市場を新たな税収源として育成していくことを目指しています。このパイロットプログラムの行方は、ベトナムだけでなく、東南アジア全体のデジタル金融の未来を占う上で、重要な試金石となるでしょう。


参考文献

[1] CoinGeek. "Vietnam proposes 0.1% tax on crypto transfers, seeks public input." 2026年2月17日. https://coingeek.com/vietnam-proposes-0-1-tax-on-crypto-transfers-seeks-public-input/

出典: Vietnam Insight編集部

この記事をシェアする

Related Articles

丸紅食料×ベトナム茶大手ヴィナティー提携、日本向け緑茶を共同開発
ニュース

丸紅食料×ベトナム茶大手ヴィナティー提携、日本向け緑茶を共同開発

丸紅食料は3月12日、ベトナムの茶製造大手ヴィナティー(Vinatea)と業務提携を締結。静岡県の茶畑ノウハウを活用し、日本人の嗜好に合った緑茶を共同開発します。国内茶農家の高齢化・人手不足による生産量減少に対応するため、安定的な供給源をベトナムに確保する戦略です。

Read More →
ベトナムGen Z、45%がアルコール制限・回避。飲食業に構造変化の波
ニュース

ベトナムGen Z、45%がアルコール制限・回避。飲食業に構造変化の波

NielsenIQ調査でベトナムZ世代の45%がアルコール摂取を制限・回避(ミレニアル世代は28%)。「断酒できることが成熟の証」という価値観が広がり、無アルコール麦酒の生産量は9%増加。ビアガーデンなど従来型飲食店では若年客が減少しており、飲食業界に構造的な変化をもたらしています。

Read More →
アジア太平洋不動産市場が安定化、ベトナムは成長リーダーとして浮上(Savills)
ニュース

アジア太平洋不動産市場が安定化、ベトナムは成長リーダーとして浮上(Savills)

Savills「2026年アジア太平洋展望」報告書によると、アジア太平洋不動産市場が安定期に入る中、ベトナムが成長リーダーとして浮上。技術製造・現代物流・高付加価値産業へのFDIシフトが背景にあり、南北高速道路やロンタイン空港などのインフラ投資が長期的な成長を支えると分析しています。

Read More →