"VinFastの電動バイク販売が3月に9万3千台を突破し過去最高を記録。国内市場でのシェア拡大と輸出の増加が寄与しています。"
過去最高の月間販売記録
ベトナムのEVメーカーVinFastは、2026年3月の電動バイク出荷台数が過去最高の9万3,000台以上に達したと発表しました。同月の注文件数は13万5,000件を超えており、需要が供給を大きく上回る状況が続いています。特に注目すべきは、3月28日に1日で3,520台のEV注文を処理したことで、これはベトナムにおける1日あたりのEV注文処理の新記録となりました。前年同月比では約45%の増加となっています。
モデル別の販売実績
モデル別では、エントリーモデルの「Evo」が5万2,000台以上と最も多く、全体の約56%を占めています。Evoは手頃な価格設定(約2,200万VND〜)と実用的な航続距離(約110km)で、通勤・通学用途の需要を取り込んでいます。次いで「Feliz」が2万4,000台以上で約26%を占め、残りの約1万7,000台がその他のモデルとなっています。Felizはデザイン性と性能のバランスが評価され、若年層を中心に人気を集めています。

出典:VinFast公式発表、Vietnam Insight作成
ベトナムのEV市場の成長
ベトナムは世界第4位のバイク市場であり、約7,000万台のバイクが登録されています。そのうちEVの比率はまだ数%に過ぎませんが、政府の環境政策と燃料価格の高騰を背景に、EVへの切り替えが急速に進んでいます。VinFastはベトナム国内のEVバイク市場で圧倒的なシェアを持ち、充電インフラの整備も並行して進めています。全国に数千カ所の充電ステーションを展開しており、ユーザーの利便性向上に努めています。バッテリーサブスクリプションモデルの導入も、初期コストの低減に貢献しています。
四輪EVの展開と海外進出
電動バイクの成功を足がかりに、VinFastは四輪EVの販売も拡大しています。VF 5、VF 6、VF 7などのモデルを展開し、東南アジア市場への進出も加速しています。インドネシア、フィリピン、タイなどでの販売網構築が進んでおり、2026年中にASEAN全域での展開を目指しています。北米市場でもVF 8の販売を継続しており、グローバルEVメーカーとしてのブランド確立を図っています。
今後の見通し
VinFastは2026年通年で電動バイク100万台の販売目標を掲げており、3月の実績ペースが続けば達成は十分に可能です。ベトナム政府もEV普及を後押しする政策を打ち出しており、EV購入時の登録税免除や充電インフラへの投資支援などが市場の成長を加速させています。ベトナムのEV市場は、ASEAN地域におけるモデルケースとして国際的にも注目されています。
バッテリー技術とサプライチェーン
VinFastはバッテリー技術の内製化にも注力しています。ハイフォンの製造拠点にバッテリーパック組立ラインを設置し、将来的にはセル製造まで手がける計画です。現在はCATLやサムスンSDIからバッテリーセルを調達していますが、自社製造への移行により、コスト削減と供給安定性の確保を目指しています。また、バッテリーリサイクル事業にも参入を検討しており、循環型経済モデルの構築を進めています。充電インフラについては、2026年末までに全国1万カ所の充電ステーション設置を目標としています。



