米国の関税発動から150日、ベトナム企業に問われる対応力
Back to Articles
市場分析 2026年3月25日 3分で読めます

米国の関税発動から150日、ベトナム企業に問われる対応力

"米国がベトナム製品に対する追加関税を発動してから150日が経過。輸出企業の対応策、サプライチェーンの再編、そして今後の通商交渉の行方について、最新動向を分析する。"

米国の関税発動から150日、ベトナム企業に問われる対応力

米国による暫定関税政策が発動されてから150日が経過しました。2026年3月25日、ホーチミン市で「米国の150日間の暫定関税政策への対応策」と題するセミナーが開催され、専門家たちが現状分析と今後の対応策について議論を交わしました。準備が整っていない企業は大きなリスクに直面するとの警鐘が鳴らされており、ベトナム企業の対応力が今まさに問われています。

セミナーは、ホーチミン市投資貿易振興センター(ITPC)、ベトナム商工会議所ホーチミン支部(VCCI-HCM)、ベトナム経済イニシアチブ研究所の共催で行われました。

米国の関税政策は、世界のサプライチェーンに深刻な影響を与えており、特に輸出主導で経済成長を遂げてきたベトナムにとって、その動向は死活問題です。ベトナムの主要輸出品目である繊維・衣料品、電子機器、家具、農水産物などが、直接・間接的に関税の影響を受けるリスクがあります。

専門家が指摘する3つの対応の柱

インディアナ大学の専門家は講演で、関税政策の複雑さと各産業への具体的な影響について解説した上で、ベトナム企業が取るべき対応策として、以下の3つの柱を提示しました。

「企業は、自社のサプライチェーンを詳細に分析し、関税の影響を最小限に抑えるための具体的な戦略を立てる必要があります。産地の多様化や、付加価値の高い製品へのシフトが鍵となります」と専門家は強調しました。[6]

また、セミナーでは、法的な観点からのリスク回避策や、自由貿易協定(FTA)の活用方法についても議論されました。ベトナムが加盟するCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)やEVFTA(EU・ベトナム自由貿易協定)を最大限に活用し、輸出市場を多角化することの重要性が確認されました。

考察:危機をチャンスに変える転換点

米国の関税政策は、ベトナム企業にとって大きな試練であることは間違いありません。しかし、見方を変えれば、これはビジネスモデルを変革する絶好の機会でもあります。

これまで安価な労働力を武器に成長してきたモデルから、より付加価値の高い製品やサービスを提供するモデルへの転換は、ベトナム経済の長期的な発展のために不可欠です。今回の関税圧力は、その転換を加速させる「外圧」として機能する可能性があります。

政府と企業が一体となって、この難局を乗り越えるための知恵と戦略を磨くことが求められています。この経験が、ベトナム経済をより強靭で持続可能なものへと変えていく礎となることを期待したいと思います。


ベトナムの対米輸出額推移と関税影響

ベトナムの対米輸出額推移と関税影響


参照元:

[6] Vietnam.vn, "米国による関税発動から150日:準備不足の企業は大きなリスクを負う", (2026/03/26), https://www.vietnam.vn/ja/150-ngay-ap-thue-cua-my-khong-chuan-bi-ky-doanh-nghiep-se-chiu-rui-ro-cao

出典: Vietnam Investment Review

この記事をシェアする