ベトナム企業Q1業績予測:小売・建設は好調、銀行・鉄鋼は苦戦
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市場分析 2026年3月27日 3分で読めます

ベトナム企業Q1業績予測:小売・建設は好調、銀行・鉄鋼は苦戦

"2026年第1四半期のベトナム上場企業業績はセクターにより明暗が分かれる見通し。内需回復の恩恵を受ける小売・建設が好調な一方、銀行・鉄鋼は金利環境と世界需要の逆風に直面しています。"

2026年の第1四半期が終わり、ベトナム企業の業績に関心が集まっています。この記事では、主要セクター別の業績予測を分析し、ベトナム経済の現状と今後の見通しを読み解きます。

ベトナム企業Q1業績、明暗分かれる見通し:小売・建設は好調、銀行・鉄鋼は苦戦

2026年第1四半期のベトナム上場企業の業績は、セクターによって明暗が大きく分かれる見通しです。証券会社各社のアナリストレポートによると、内需の回復を背景に小売業建設業が好調な利益成長を記録する一方、金利環境の変化や世界市場の需要減速の影響を受け、銀行業鉄鋼業は苦戦を強いられると予測されています [1]。

好調セクター:内需回復の恩恵

  • 小売業: 消費者信頼感の改善と政府の景気刺激策に支えられ、売上・利益ともに二桁成長が見込まれます。特に、携帯電話や家電製品を扱うデジタルワールド(DGW)や、宝飾品小売のフーニャン・ジュエリー(PNJ)などが高い成長を予測されています。
  • 建設・工業団地: 公共投資の加速と、海外直接投資(FDI)の力強い流入が追い風となっています。特に、工業団地を運営する企業は、新たな製造拠点を求める外資系企業からの需要増により、安定した収益確保が期待されます。

苦戦セクター:外部環境の逆風

  • 銀行業: 2025年後半からの利下げサイクルの影響で、純金利マージン(NIM)が縮小する傾向にあります。また、不動産市場の低迷に関連する不良債権の増加も、一部の銀行の収益を圧迫する要因となっています。
  • 鉄鋼業: 世界的な建設需要の減速と、中国からの安価な輸入品との競争激化により、国内の鉄鋼メーカーは厳しい状況に直面しています。ホアファットグループ(HPG)などの大手も、利益の伸び悩みが予測されています。

セクター別・2026年第1四半期利益成長率予測

セクター別・2026年第1四半期利益成長率予測
データソース: 各証券会社アナリストレポートの平均値 [1]

全体として、ベトナム経済は依然として回復基調にありますが、その恩恵は均一ではありません。投資家は、こうしたセクターごとの業績の違いを注意深く見極め、投資戦略を立てる必要があります。第1四半期の公式な決算発表は、4月中旬から本格的に始まります。

参考文献

[1] Vietstock. (2026, March 28). Stock Analysis & Reports. Retrieved from https://vietstock.vn/en/analysis.htm

出典: Vietstock

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