"2026年4月に発表されたUOBの最新分析レポートは、米国・イスラエル・イラン間の中東紛争の激化に伴うエネルギー価格の高騰がベトナム経済に大きな影響を与えていることを指摘した。特に石油や液化天然ガス(LNG)の価格上昇は、輸入依存度が約20%に及ぶベトナムにとってコスト増加の要因となり、経済全体の成..."
2026年4月に発表されたUOBの最新分析レポートは、米国・イスラエル・イラン間の中東紛争の激化に伴うエネルギー価格の高騰がベトナム経済に大きな影響を与えていることを指摘した。特に石油や液化天然ガス(LNG)の価格上昇は、輸入依存度が約20%に及ぶベトナムにとってコスト増加の要因となり、経済全体の成長ペースを鈍化させている。これにより、UOBは2026年のGDP成長率見通しを従来の7.5%から7.0%に下方修正した。
四半期ごとの成長率予測を見ると、2026年第1四半期は7.83%と前年同期の8.46%から減速傾向にあり、第2四半期には6.5%まで低下すると予測されている。その後も第3四半期6.8%、第4四半期7.0%と緩やかな回復が見込まれるが、年初の目標であった二桁成長達成は極めて困難な状況だ。これはエネルギー価格高騰に伴う生産コスト上昇や輸送コストの増加(3月で10.8%上昇)により、企業収益や消費者物価指数(CPI)に圧力がかかっているためである。
CPIは2026年3月に4.65%まで上昇し、中央銀行(SBV)が目標とする4.5%を超過している。これは燃料税の一時停止(4月15日までの措置)や緊急燃料基金の活用を通じて一定の緩和措置が講じられたものの、輸入価格の上昇を完全には抑えきれていないことを示している。SBVはリファイナンス金利を現状の4.5%で据え置く方針を維持しつつ、インフレ抑制と成長支援のバランス確保に努めている。
貿易面でもエネルギー価格高騰による輸入額の増加が顕著である。2026年第1四半期では輸出が前年同期比19.1%増(1229.3億ドル)である一方、輸入は27%増(1265.7億ドル)と大幅に拡大し、貿易赤字は36.4億ドルに達した。製造業の成長率は9.73%と堅調を維持しているが、コスト増加と資源制約が今後の足かせになる可能性が高い。
これらの状況を踏まえ、政府はエネルギー安全保障強化と再生可能エネルギー開発の推進を急務と位置付けている。2030年までに再生可能エネルギー比率を30%に引き上げる目標を掲げ、天然ガス依存の緩和を図る政策が進められている。Decree 112/2026によるカーボンクレジット市場の整備も、環境負荷低減と投資促進の両面で重要な役割を果たすだろう。
| 項目 | 2025年第4四半期 | 2026年第1四半期 | 2026年第2四半期(予測) | 2026年第3四半期(予測) | 2026年第4四半期(予測) |
|---|---|---|---|---|---|
| GDP成長率 (%) | 8.46 | 7.83 | 6.5 | 6.8 | 7.0 |
| CPI(前年同月比、%) | - | 4.65 | - | - | - |
| 輸送コスト上昇率 (%) | - | 10.8 | - | - | - |
| 原油価格(ドル/バレル) | 85-95 | 100-110 | - | - | - |




