"ホーチミン市の地下鉄2号線(ベンタイン-タムルオン線)の建設が本格化し、2030年の開業を目指して総工費43.7億ドル(約5.3兆円)のプロジェクトが進行中です。"
ホーチミン市、地下鉄2号線が着工、2030年完成へ—総投資額21億ドル

画像出典: ホーチミン市地下鉄プロジェクト
ホーチミン市は2026年1月15日、地下鉄2号線(ベンタイン - タムルオン区間)の建設を正式に着工しました。総投資額は約551億7,900万ベトナムドン(21億ドル)で、全額ホーチミン市の公的投資予算で賄われます。この路線は、市中心部と北西部の地区を接続する重要な放射軸として位置づけられており、2030年第4四半期の完成を目指しています。地下鉄2号線は、ホーチミン市が推進する都市鉄道ネットワーク整備の中核プロジェクトであり、Resolution 188/2025/QH15の特別メカニズムを初めて適用するプロジェクトとしても注目されています。
地下鉄2号線の概要、総延長11.3kmで11駅を整備
地下鉄2号線は、ホーチミン市の中心部に位置するベンタイン駅を起点とし、北西部のタムルオンまでを結ぶ路線です。総延長は約11.3kmで、そのうち地下区間が9.3km、高架区間が2kmとなります。駅数は11駅で、地下駅が10駅、高架駅が1駅です。また、車両基地も1か所整備されます。建設期間は約5年で、2030年第4四半期の完成を目指しています。
この路線は、ホーチミン市都市鉄道システムの重要な放射軸として位置づけられており、市中心部と北西部の地区を接続します。ベンタイン駅は、将来的にメトロネットワーク全体の中央乗換ハブとなる予定で、地下鉄1号線(ベンタイン - スオイティエン)との乗り換えも可能になります。これにより、ホーチミン市の都市鉄道ネットワークが大幅に拡充され、市民の移動利便性が向上することが期待されています。
Resolution 188の特別メカニズムを初適用
地下鉄2号線は、Resolution 188/2025/QH15の特別メカニズムを初めて適用するプロジェクトとして注目されています。この決議は、投資手続き、資金調達、設計基準、請負業者選定におけるボトルネックを解消するために設計されたもので、TOD(Transit-Oriented Development)モデルに基づく交通開発と都市空間再編を連携させることを目的としています。
Resolution 188の適用により、地下鉄2号線プロジェクトは、従来の都市鉄道プロジェクトに比べて、より迅速かつ効率的に進行することが期待されています。特に、用地取得、資金調達、設計基準の統一、請負業者選定などの手続きが簡素化され、プロジェクトの遅延リスクが大幅に軽減されました。ホーチミン市は、この特別メカニズムを今後の都市鉄道プロジェクトにも適用する方針で、都市鉄道ネットワークの整備を加速させる計画です。
資金調達の転換、全額公的予算に切り替え
地下鉄2号線は、当初は海外政府開発援助(ODA)で賄う予定でしたが、現在は全て公的予算に切り替えられました。2026〜2030年の中期計画で全額配分が確保されており、資金調達の不確実性が解消されました。これにより、プロジェクトの進行が安定し、計画通りの完成が見込まれています。
ホーチミン市のBui Xuan Cuong副市長は、「この段階での地下鉄2号線の着工は、いくつかの好条件が重なったため、特に重要な意義を持ちます。特に、用地取得が完了し、プロジェクト資金が市予算に移行し、2026〜2030年の中期計画で全額配分が確保されました」とコメントしました。資金調達の転換は、ホーチミン市が都市鉄道プロジェクトを自主的に推進する能力を高めたことを示しており、今後の都市開発における重要な転換点となります。
欧州標準技術と無人運転技術を採用
地下鉄2号線は、欧州標準技術を採用します。都市鉄道管理局(MAUR)のPhan Cong Bang局長によると、ホーチミン市の鉄道ネットワーク全体で近代化、同期化、互換性を確保するため、欧州標準技術が選択されました。また、無人運転技術も採用予定で、運行の効率性と安全性が向上することが期待されています。
欧州標準技術の採用により、地下鉄2号線は、既に運行中の地下鉄1号線(日本の技術を採用)とは異なる技術基盤を持つことになります。しかし、ホーチミン市は、異なる技術基盤を持つ路線間でも、乗り換えや運行管理において互換性を確保する方針です。無人運転技術の採用は、運行コストの削減、運行頻度の向上、安全性の向上などのメリットをもたらすと期待されています。
4つの主要インフラプロジェクトが同時着工
2026年1月15日には、地下鉄2号線を含む4つの主要インフラプロジェクトが同時着工しました。これらは、フーミー2橋、カンジョー橋、ラックチエック国立スポーツ複合施設です。4プロジェクトの総投資額は約100億ドルに達し、ホーチミン市の都市インフラが大幅に強化されることになります。
これらのプロジェクトは、第14回全国党大会を迎えるための一連の活動の一環として位置づけられており、ホーチミン市党委員会、政府、市民の強い政治的決意を示しています。特に、同期化された近代的なインフラシステムの完成を目指すというホーチミン市の長期ビジョンを反映しています。フーミー2橋とカンジョー橋は、ホーチミン市の交通渋滞を緩和し、市内と周辺地域の接続性を向上させる重要なプロジェクトです。
今後の展開、2026年にさらに5路線を着工予定
地下鉄2号線の第1期区間(ベンタイン - タムルオン)の後、トゥーティエム方面への延伸も計画されています。また、ホーチミン市は2026年にさらに5路線の地下鉄を着工予定で、すべて2030年中に完成させる計画です。これにより、ホーチミン市の都市鉄道ネットワークが急速に拡充され、市民の移動利便性が大幅に向上することが期待されています。
ホーチミン市の都市鉄道ネットワーク整備は、ベトナム政府が推進する「持続可能な都市開発」の重要な柱となっています。都市鉄道の整備により、交通渋滞の緩和、大気汚染の削減、経済活動の活性化などが期待されています。特に、TODモデルに基づく都市空間再編により、駅周辺の商業施設、住宅、オフィスなどが集積し、新たな都市の中心地が形成されることが見込まれています。
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