"ベトナムの国内商業銀行30行の総融資残高が、2025年末までに15.8兆VND(約6,200億ドル)という過去最高を記録しました。"
ベトナムの融資市場、5大銀行にシェア集中—信用残高は過去最高を記録
2026年2月25日 — ベトナムの国内商業銀行30行の総融資残高が、2025年末までに15.8兆VND(約6,200億ドル)という過去最高を記録しました。
この成長の中で、特に注目されるのは、5大銀行が融資市場の半分以上のシェアを占めるという市場集中の動きです。
1. 融資市場の急成長と市場集中
2025年末時点で、ベトナムの国内商業銀行30行の総融資残高は15.8兆VND(約6,200億ドル)に達しました。
これは、前年比で約12%の増加を示しており、ベトナム経済の回復と企業の旺盛な資金需要を反映しています。
| 項目 | 2025年末の実績 |
|---|---|
| 総融資残高 | 15.8兆VND(約6,200億ドル) |
| 前年比成長率 | 約12%増 |
| 5大銀行のシェア | 50%以上 |
特に注目されるのは、5大銀行(Vietcombank、BIDV、VietinBank、Agribank、MB Bank)が融資市場の半分以上を占めるという市場集中の傾向です。
これらの大手銀行は、豊富な資本基盤、広範な支店ネットワーク、そして高い信用力を武器に、中小企業から大企業まで幅広い顧客層にサービスを提供しています。
2. 市場集中の背景と要因
融資市場における5大銀行へのシェア集中には、いくつかの要因があります。
まず、大手銀行は、政府系企業や大企業との長年の取引関係を持ち、安定した融資ポートフォリオを構築してきました。
また、デジタルバンキングへの積極的な投資により、顧客体験を向上させ、新規顧客の獲得にも成功しています。
一方で、中小銀行は、資本基盤の弱さや支店ネットワークの限定性から、大手銀行との競争に苦戦しています。
特に、不良債権比率の上昇や、規制当局による資本増強要求への対応が課題となっています。
「融資市場における大手銀行へのシェア集中は、短期的には市場の安定性を高めますが、長期的には競争の減少や金利の硬直化といったリスクも伴います」と、銀行アナリストのレ・ティ・フオン氏は指摘しています。
3. 中小銀行への影響と課題
5大銀行へのシェア集中は、中小銀行にとって大きな課題となっています。
中小銀行は、大手銀行との差別化を図るため、ニッチ市場への特化や、デジタル技術を活用した新たなサービスの開発に注力しています。
例えば、一部の中小銀行は、スタートアップ企業や中小企業向けの融資に特化し、大手銀行が対応しきれない市場ニーズに応えています。
また、フィンテック企業との提携により、モバイルバンキングやオンライン融資サービスを強化し、若年層の顧客獲得を目指しています。
しかし、これらの取り組みが成果を上げるには時間がかかり、短期的には大手銀行とのシェア格差はさらに拡大する可能性があります。
4. 今後の展望と政策の役割
ベトナム政府と中央銀行(SBV)は、融資市場の健全な発展を促進するため、いくつかの政策措置を検討しています。
まず、中小銀行の資本増強を支援するため、合併・買収(M&A)の促進や、外国投資家による出資規制の緩和が議論されています。
また、デジタルバンキングの普及を加速するため、フィンテック企業への規制緩和や、サイバーセキュリティ基準の強化も進められています。
2026年以降、ベトナムの融資市場は引き続き成長を続けると予測されていますが、市場集中の傾向がどこまで進むかは、政府の政策対応と中小銀行の競争力強化にかかっています。
5. まとめ
ベトナムの融資市場は、2025年末までに15.8兆VND(約6,200億ドル)という過去最高の残高を記録し、力強い成長を続けています。
しかし、5大銀行が市場の半分以上を占めるというシェア集中の傾向は、中小銀行にとって大きな課題となっています。
政府と中央銀行の政策対応、そして中小銀行の競争力強化が、今後の融資市場の健全な発展の鍵を握っています。
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