"ベトナム政府は3月19日のガソリン価格改定で、RON95を1リットルあたり3万690ドンに引き上げた。前回比で約20%という記録的な上昇は、中東情勢の悪化による原油価格高騰が主因。物流コストや食料品価格への波及が懸念されており、政府は税率引き下げなどの対応策を検討している。"
中東情勢の緊迫化が直撃、2022年7月以来の高値水準に
2026年3月19日(木)深夜、ベトナム商工省と財務省はガソリン小売価格の大幅な引き上げを発表しました。
これにより、最も一般的なガソリンであるRON95-IIIは1リットルあたり20%上昇し、3万690ドン(約1.17米ドル)に達しました。これは、ロシア・ウクライナ紛争の影響で燃料価格が世界的に高騰した2022年7月以来の最高値です。
バイオ燃料E5 RON92も20.7%上昇して2万2,170ドン、ディーゼル油に至っては23.7%上昇し、3万3,420ドンとなりました。
RON95とディーゼル価格の推移
| 期間 | RON95価格 (VND/L) | ディーゼル価格 (VND/L) |
|---|---|---|
| 2月末 | 約20,190 | 約19,300 |
| 3月19日 | 30,690 | 33,420 |
| 上昇率 | +52% | +73% |
出典: VnExpressの報道に基づくデータ
世界的な原油価格の上昇が背景
今回の価格急騰の主な要因は、アメリカ、イスラエル、イランが関与する中東の軍事紛争の激化です。
特に、世界の石油輸送の要衝であるホルムズ海峡を管理するイランの動向が、市場の不確実性を高めています。
この影響で、世界のRON95ガソリン価格は1バレルあたり150.4ドル(+16.4%)、ディーゼルは18.6%上昇するなど、軒並み高騰しています。
政府は価格安定化基金で影響緩和を図る
ベトナム政府は、急激な価格変動から国民生活と経済を守るため、石油価格安定化基金を活用しています。
今回の調整では、ディーゼルに1リットルあたり4,000ドン、ガソリンやその他の燃料に3,000ドンの補助金を拠出しました。これは6回連続の基金活用となります。
また、ファム・ミン・チン首相は、エネルギー安全保障を確保するため、各国首脳との電話会談や大使との面会を通じて、原油の安定供給に向けた協力を要請しています。
日本からは戦略的備蓄石油の一部放出を取り付け、パートナー国から400万バレルの石油を確保するなど、多角的な対策を進めています。
商工省と財務省は、特恵輸入関税(MFN)を0%に引き下げるなど、あらゆる手段を講じて国内の燃料価格の安定化に努めていますが、世界情勢の不透明感から、当面は価格変動リスクの高い状況が続くとみられています。
[1] Gasoline prices soar 20% - VnExpress International
[2] Fuel prices rise in latest adjustment - VietnamPlus



