ベトナム、2026年1月のFDI認可額が前年比8.7%増—製造業と不動産が牽引
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ニュース 2026年2月23日 3分で読めます

ベトナム、2026年1月のFDI認可額が前年比8.7%増—製造業と不動産が牽引

"ベトナムは2026年1月に外国直接投資(FDI)認可額が前年同月比8.7%増を記録し、製造業と不動産セクターが成長を牽引しました。"

#ベトナム、2026年1月のFDI実行額が11.3%増、過去5年で最高水準

ベトナムのFDI実績
画像出典: FDI統計データ

ベトナムは2026年1月、外国直接投資(FDI)の実行額が前年同月比11.26%増の16億8,000万ドルに達し、過去5年間の1月としては最高水準を記録しました。財務省(MoF)は、この堅調な実績が外国投資家のベトナム経済に対する信頼の高まりを示していると評価しています。一方で、FDI認可額は前年同月比40.58%減の25億7,000万ドルとなりましたが、これは2025年1月の異常な高水準との比較によるもので、外国投資誘致の弱体化を示すものではないと説明されています。

FDI実行額、過去5年で最高の1月を記録

2026年1月のFDI実行額は16億8,000万ドルに達し、2025年1月の15億1,000万ドルから11.26%増加しました。これは過去5年間の1月としては最高水準であり、ベトナムのビジネス環境と経済見通しに対する外国投資家の信頼が高まっていることを示しています。財務省は、この実行額の堅調な成長が、ベトナムが外国投資にとって引き続き魅力的な目的地であることを裏付けていると強調しました。

実行額の増加は、既存のFDIプロジェクトが順調に進展していることを意味します。特に製造業やインフラプロジェクトにおいて、投資家が計画通りに資金を投入し、プロジェクトを実行に移していることが確認されました。これは、ベトナムの投資環境が安定しており、外国企業が長期的な視点でベトナム市場にコミットしていることを示しています。

認可額の減少は一時的、新規投資は引き続き増加

2026年1月のFDI認可額は25億7,000万ドルとなり、前年同月比40.58%減少しました。しかし、財務省はこの減少が外国投資誘致の弱体化を示すものではないと説明しています。主な原因は、2025年1月の比較基準が異常に高かったことです。2025年1月は既存プロジェクトの追加資本調整が例外的に大規模で、追加投資が27億2,500万ドルに達していました。2026年1月の追加投資は8億8,850万ドルに減少しましたが、これは正常化の一環と見なされています。

一方で、新規投資は引き続き増加しています。2026年1月の新規投資は14億8,900万ドル(349プロジェクト)で、資本額は前年同月比15.71%増、プロジェクト数は23.76%増となりました。これは、新たな外国投資フローがベトナムに継続的に流入していることを示しており、ベトナムの投資誘致戦略が成功していることを裏付けています。

製造業への集中、グローバルサプライチェーン再編の恩恵

投資分野別では、製造・加工業が19億6,400万ドル(全体の76.28%)を占め、圧倒的な首位となりました。これは、グローバルサプライチェーンの再編が進む中で、ベトナムが製造拠点として引き続き魅力的な目的地であることを示しています。特に、米中貿易摩擦や地政学的リスクの高まりを背景に、多くの多国籍企業がサプライチェーンの多様化を進めており、ベトナムはその主要な受け皿となっています。

製造業に次いで、不動産が2億4,960万ドル(9.69%)、情報通信が1億3,420万ドル(5.21%)、卸売・小売が1億2,420万ドル(4.82%)となりました。情報通信分野への投資は、ベトナムのデジタル経済の成長を反映しており、今後も拡大が期待されます。

投資国・地域別、アジア太平洋が86%を占める

投資国・地域別では、シンガポールが10億7,000万ドル(全体の41.54%)でトップとなり、韓国が5億5,100万ドル(21.39%)、中国が3億8,500万ドル(14.95%)、日本が2億820万ドル(8.08%)と続きました。アジア太平洋地域の4大投資国(シンガポール、韓国、中国、日本)が全体の約86%を占めており、ベトナムのFDIがアジア太平洋地域に強く依存していることが確認されました。

シンガポールからの投資が突出している理由は、多くの多国籍企業がシンガポールを地域統括拠点として利用しており、シンガポール経由でベトナムに投資しているためです。韓国からの投資は、サムスン、LG、SK、ロッテなどの大手企業がベトナムを重要な生産拠点と位置づけていることを反映しています。中国からの投資は、米中貿易摩擦を背景に、中国企業がベトナムに生産拠点を移転する動きが続いていることを示しています。

財務省のコメント、外国投資家の信頼を強調

財務省は、2026年1月のFDI実績について、「これは励みになる信号であり、ベトナムのビジネス環境と経済見通しに対する外国投資セクターの信頼を反映しています」とコメントしました。また、「この構造は長年の傾向と一致しており、グローバルサプライチェーンの変化の中で、ベトナムが製造・加工プロジェクトにとって魅力的な目的地であることを再確認しています」と強調しました。

ベトナム政府は、外国投資誘致を経済成長の重要な柱と位置づけており、投資環境の改善、インフラ整備、人材育成などに積極的に取り組んでいます。特に、2026年は政府が「投資環境改善年」と位置づけており、行政手続きの簡素化、法制度の透明性向上、投資インセンティブの拡充などを進めています。

今後の見通し、FDI実行額の継続的な成長を期待

2026年1月のFDI実績は、ベトナムが外国投資にとって引き続き魅力的な目的地であることを示しています。実行額の堅調な成長は、既存プロジェクトが順調に進展していることを意味し、新規投資の増加は新たな投資フローが継続的に流入していることを示しています。認可額の減少は一時的なものであり、今後は正常化が見込まれます。

ベトナム政府は、2026年のFDI目標として、認可額400億ドル、実行額240億ドルを掲げています。1月の実績を踏まえると、この目標達成は十分に可能と見られます。特に、製造業への投資が引き続き堅調であること、アジア太平洋地域からの投資が安定していること、新規投資が増加していることなどが、今後の成長を支える要因となるでしょう。


参照元:

出典: Vietnam Investment Review

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