"ベトナムの今後5年間の経済政策の方向性が明らかになった。 1月19日から23日までハノイ市内の国家会議場で開催された第14回ベトナム共産党全国代表者大会において、2026年から2030年までの経済成長率を年率10%以上とする野心的な目標が発表された。 この目標は、ベトナムが2045年までに高所得国入りを実現するための重要なマイルストーンとして位置づけられている。 ## トー・ラム書記長が再..."
ベトナムの今後5年間の経済政策の方向性が明らかになった。
1月19日から23日までハノイ市内の国家会議場で開催された第14回ベトナム共産党全国代表者大会において、2026年から2030年までの経済成長率を年率10%以上とする野心的な目標が発表された。
この目標は、ベトナムが2045年までに高所得国入りを実現するための重要なマイルストーンとして位置づけられている。
トー・ラム書記長が再任、経済成長を最優先課題に
党大会では、トー・ラム書記長の再任が決定された。
ラム書記長は1957年、北部フンイエン省生まれ。公安でキャリアを築き、2024年5月から8月まで国家主席を務めた後、同年8月に書記長に就任した。
今回の再任により、ラム書記長は今後5年間、ベトナムの最高指導者として経済成長の加速を主導することになる。
党大会終了後の記者会見で、ラム書記長は10%成長に向けて「科学技術やイノベーションを原動力とした経済成長モデルを構築する必要性」を強調した。
2030年までに1人当たりGDPを8,500ドルに引き上げ
経済成長目標と並んで注目されるのが、1人当たりGDPの目標値だ。
ベトナムは2030年までに1人当たりGDPを8,500ドルに引き上げることを目指している。
この目標が達成されれば、ベトナムは中所得国から高所得国への移行に向けた重要な一歩を踏み出すことになる。
現在のベトナムの1人当たりGDPは約4,000ドル前後とされており、今後5年間で2倍以上の成長が求められる計算だ。
政治局員19人を選出、新旧交代が進む
党大会では、政治局員19人が選出された。
そのうち再任は10人、新任は9人となり、新旧交代が進んでいることが明らかになった。
一方、現任の要職者のうち、ルオン・クオン国家主席やファム・ミン・チン首相らは政治局員から外れたため、退任となる見通しだ。
一部の海外メディアは、これまでの集団指導体制を踏襲せず、ラム書記長が国家主席職を兼任する可能性にも言及している。
イノベーション推進と民間企業振興を継続
2025年に共産党政治局決議を通じて示された、イノベーション推進や民間企業振興の政策は継続していくものとみられる。
ベトナム政府は、デジタル経済の発展、スタートアップ企業の支援、外国直接投資(FDI)の誘致強化などを通じて、経済成長を加速させる方針だ。
特に、半導体産業やハイテク製造業の育成に力を入れており、グローバルサプライチェーンにおけるベトナムの地位向上を目指している。
行政再編と構造改革を推進
ラム書記長は、2045年の高所得国入り実現のための経済成長の加速に向け、行政再編をはじめとする構造改革を推進してきた。
今後は、党大会の決議を踏まえた新たな政策や法整備などの具体化が進むものとみられる。
外交面では、従来どおりの全方位外交を継続し、米国や中国、日本など、各国との友好関係のバランスを維持する方針だ。
10%成長は実現可能か?
年率10%以上という経済成長目標は、ベトナムにとって極めて野心的な数字だ。
2024年のベトナムのGDP成長率は約7%とされており、今後5年間でさらに3ポイント以上の上乗せが必要となる。
この目標を達成するためには、インフラ投資の拡大、教育・人材育成の強化、規制緩和の推進など、多岐にわたる取り組みが求められる。
国際通貨基金(IMF)や世界銀行などの国際機関は、ベトナムの経済成長ポテンシャルを高く評価しているが、10%成長の実現には相当な努力が必要だと指摘している。
ビジネス環境の改善が鍵
ベトナムが10%成長を実現するためには、ビジネス環境の改善が不可欠だ。
行政手続きの簡素化、法的透明性の向上、知的財産権保護の強化など、外国企業が投資しやすい環境を整備する必要がある。
また、国内企業の競争力強化も重要な課題だ。
中小企業の支援、技術革新の促進、人材育成の充実などを通じて、ベトナム経済全体の底上げを図ることが求められている。
今後、党大会の決議を踏まえた具体的な政策や法整備の動向を注視していく必要がある。



