ホーチミン市の伝説的レストラン「Thanh Niên」が約40年の歴史に幕
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ニュース 2026年2月2日 3分で読めます

ホーチミン市の伝説的レストラン「Thanh Niên」が約40年の歴史に幕

"ホーチミン市の中心部で約40年間にわたり多くの市民や観光客に愛されてきたレストラン「Thanh Niên(タン・ニエン)」が、2026年の旧正月(テト)を前に閉店した。 ホーチミン市1区のグエン・ヴァン・チエム通り11番地に位置するこのレストランは、ベトナム料理の伝統を守り続けてきた名店として知られていた。 閉店のニュースは、多くの常連客や地元住民に惜しまれている。 ## 約40年の歴史を..."

ホーチミン市の中心部で約40年間にわたり多くの市民や観光客に愛されてきたレストラン「Thanh Niên(タン・ニエン)」が、2026年の旧正月(テト)を前に閉店した。

ホーチミン市1区のグエン・ヴァン・チエム通り11番地に位置するこのレストランは、ベトナム料理の伝統を守り続けてきた名店として知られていた。

閉店のニュースは、多くの常連客や地元住民に惜しまれている。

約40年の歴史を持つ老舗レストラン

Thanh Niênレストランは、1980年代後半にオープンし、ホーチミン市の飲食業界の発展とともに歩んできた。

レストランの名前「Thanh Niên」は「青年」を意味し、ベトナムの若い世代の活力と希望を象徴する名前として付けられた。

オープン当初から、伝統的なベトナム料理を中心としたメニューを提供し、特に家庭的な味わいと手頃な価格で人気を集めてきた。

緑豊かな中庭を持つ独特の雰囲気も、多くの客に愛される理由の一つだった。

オーナーが語る閉店の理由

オーナーは、最後の営業日について「胸を締め付けるようなエピソード」を語った。

長年通い続けてくれた常連客が、最後の食事を楽しみながら涙を流す姿を目にしたという。

閉店の理由について、オーナーは高齢化と後継者不足を挙げている。

また、ホーチミン市の不動産価格の高騰により、レストランが位置する1区の賃料が大幅に上昇したことも、閉店の決断を後押ししたとみられる。

ホーチミン市の飲食業界の変化を象徴

Thanh Niênレストランの閉店は、ホーチミン市の飲食業界が直面している大きな変化を象徴している。

近年、ホーチミン市では不動産価格の高騰により、中心部の賃料が急上昇している。

特に1区や3区などの主要エリアでは、賃料の上昇により、長年営業してきた老舗レストランや小規模飲食店が閉店を余儀なくされるケースが増えている。

一方で、資本力のある大手チェーン店や外資系レストランが次々と進出し、市場の競争が激化している。

伝統的なベトナム料理店の課題

Thanh Niênのような伝統的なベトナム料理店は、いくつかの課題に直面している。

まず、若い世代の消費者の嗜好の変化だ。

近年、ベトナムの若い世代は、西洋料理や日本料理、韓国料理など、多様な料理を楽しむようになっている。

また、SNS映えする洗練された内装やメニューを持つレストランが人気を集めており、伝統的な家庭料理を提供する店舗は、若い世代の支持を得にくくなっている。

オンラインフードデリバリーの台頭

もう一つの大きな変化は、オンラインフードデリバリーサービスの台頭だ。

ShopeeFood、GrabFood、beFoodなどのプラットフォームが急速に普及し、消費者の食事スタイルが大きく変化している。

2025年のベトナムのオンラインフードデリバリー市場は、総取引額(GMV)が約21億ドルに達し、前年比19%の成長を記録した。

この変化により、店舗での食事よりも自宅での食事を好む消費者が増えており、伝統的なレストランの客足が減少している。

賃料高騰が老舗レストランを圧迫

ホーチミン市の不動産市場の活況は、飲食業界にとって両刃の剣となっている。

市の中心部では、オフィスビルや高級住宅の建設が進み、商業用不動産の需要が高まっている。

その結果、賃料が大幅に上昇し、利益率の低い飲食店にとっては大きな負担となっている。

特に、家族経営の小規模レストランは、賃料の上昇に対応できず、閉店を選択するケースが増えている。

常連客の惜しむ声

Thanh Niênレストランの閉店について、常連客からは惜しむ声が多く聞かれた。

「30年以上通い続けてきた。ここの料理は母の味を思い出させてくれる」と語る客もいた。

また、「ホーチミン市の歴史の一部が失われてしまう」と嘆く声も上がっている。

多くの客にとって、Thanh Niênは単なるレストランではなく、思い出の詰まった特別な場所だった。

ベトナムの飲食業界の今後

Thanh Niênレストランの閉店は、ベトナムの飲食業界が大きな転換期を迎えていることを示している。

伝統的な家庭料理を提供する老舗レストランは、賃料の高騰、消費者の嗜好の変化、オンラインデリバリーの台頭など、多くの課題に直面している。

一方で、資本力のある大手チェーン店や、SNS映えする洗練されたレストランが市場を席巻している。

今後、ベトナムの飲食業界では、伝統と革新のバランスをどのように取るかが重要な課題となるだろう。

文化遺産としての飲食店の保護

Thanh Niênのような老舗レストランの閉店は、ベトナムの食文化の喪失にもつながる可能性がある。

ベトナム政府や地方自治体は、文化遺産としての飲食店を保護する政策を検討する必要があるかもしれない。

例えば、歴史的価値のあるレストランに対する賃料補助や税制優遇措置などが考えられる。

また、若い世代に伝統的なベトナム料理の魅力を伝える取り組みも重要だ。

Thanh Niênレストランの閉店は、ホーチミン市の飲食業界にとって一つの時代の終わりを告げるものとなった。

しかし、この出来事が、ベトナムの食文化を守り、次世代に継承するための議論のきっかけとなることを期待したい。

出典: VnExpress

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