"2026年3月10日、ベトナム・ホーチミン市。この街の魅力は、歴史的な建造物や活気あふれる市場だけではない。今、世界中のコーヒー愛好家や美食家たちが注目しているのが、急速な進化を遂げるホーチミン市のカフェ文化だ。伝統的なベトナムコーヒーはもちろんのこと、世界レベルのスペシャルティコーヒーや、ミシュランガイドが認める独創的な食体験を提供する店まで、その多様性はとどまるところを知らない。本稿では、3月..."
【エリア情報】ホーチミン市のカフェ文化最前線:ミシュランの星からスペシャルティコーヒーまで
2026年3月10日、ベトナム・ホーチミン市。この街の魅力は、歴史的な建造物や活気あふれる市場だけではない。今、世界中のコーヒー愛好家や美食家たちが注目しているのが、急速な進化を遂げるホーチミン市のカフェ文化だ。伝統的なベトナムコーヒーはもちろんのこと、世界レベルのスペシャルティコーヒーや、ミシュランガイドが認める独創的な食体験を提供する店まで、その多様性はとどまるところを知らない。本稿では、3月のテーマ「スペシャルティコーヒー&カフェ文化」に沿って、ホーチミン市で訪れるべき注目の3店を紹介する。
1. The Workshop Coffee:サイゴンのスペシャルティコーヒーのパイオニア
ホーチミン市のスペシャルティコーヒーシーンを語る上で、「The Workshop Coffee」の存在は欠かせない。1区の古いアパートメントを改装した隠れ家のようなこのカフェは、サイゴンにおける「第三の波(サードウェーブ)」コーヒー文化の火付け役として知られている。店内には様々な抽出器具が並び、専門知識豊富なバリスタが、世界中から厳選された豆の個性を最大限に引き出した一杯を提供してくれる。
ここでは、単にコーヒーを飲むだけでなく、豆の産地や焙煎方法、抽出技術について学び、その奥深い世界を体験することができる。インダストリアルでおしゃれな空間は、デジタルノマドやクリエイターたちの憩いの場ともなっており、新しいアイデアが生まれる創造的なハブとしての役割も担っている。
2. Shin Coffee:情熱が詰まった自家焙煎の名店
「Shin Coffee」は、品質への徹底したこだわりとコーヒーへの情熱で知られる自家焙煎のスペシャルティコーヒー店だ。創設者自らが世界中のコーヒー農園に足を運び、最高品質の豆だけを直接買い付けている。ビンタン区にある店舗は、コーヒー豆の麻袋が積まれ、焙煎機が鎮座する、まさにコーヒー工房といった趣だ。
Shin Coffeeの魅力は、その豆の品質の高さにある。エチオピアの華やかな香り、コロンビアの豊かなコク、そしてベトナム・ダラット産の繊細な酸味など、それぞれの豆が持つストーリーを感じながら、極上の一杯を味わうことができる。コーヒー豆の販売も行っており、自宅で本格的な味を楽しみたいコーヒー愛好家にとって、最高のデスティネーションとなっている。
3. Anan Saigon:ストリートフードを再定義するミシュラン一つ星
カフェ文化とは少し異なるが、ホーチミン市の食の革新性を象徴する存在として「Anan Saigon」を紹介したい。ベトナムで初めてミシュランの一つ星を獲得したこのレストランは、伝統的なベトナムのストリートフードを、現代的かつ洗練された一皿へと昇華させている。活気ある市場の中に佇むこの店は、古いものと新しいものが見事に融合した空間だ。
シェフ、ピーター・クオン・フランクリン氏が生み出す料理は、大胆かつ繊細。例えば、100ドルで提供される「バインミー」は、フォアグラやトリュフといった高級食材を使い、ベトナムの国民食を全く新しい美食体験へと進化させている。Anan Saigonは、ベトナム料理の可能性を世界に示し、ホーチミン市の食文化がいかにダイナミックであるかを証明している。食後に提供される独創的なドリンクも、この街の洗練された味覚を体験する上で見逃せない。
ホーチミン市の食とカフェのシーンは、伝統を守りながらも、常に新しい挑戦を続けている。今回紹介した3店は、その多様性と奥深さを象徴するほんの一例にすぎない。この街を訪れた際は、ぜひ自分だけのお気に入りの一店を見つける旅に出てみてはいかがだろうか。



